インプラント治療後の頭痛

通常のインプラント治療は、事前の精密検査の結果から噛み合わせなどを検討し、トラブルが起こらないよう慎重にかぶせ物（人工歯）をつくります。

しかし、実際にはインプラント治療後に頭痛を訴えるケースもみられます。ここでは頭痛の原因として考えられるケースについて詳しく紹介していきます。

インプラント治療後の上顎洞炎

人間の鼻の両脇には上顎洞（じょうがくどう）という空洞があり、そこに細菌やウイルスが感染して炎症を起こすことを上顎洞炎といいます。副鼻腔炎や蓄のう症といったほうがわかりやすいかもしれません。さまざまな症状がありますが、頭痛も上顎洞炎の代表的な症状のひとつです。

インプラント治療では、あごの骨にインプラント本体を埋め込む手術を行ないます。その際、上あごの骨であれば上顎洞に近い粘膜を傷つけてしまう可能性があります。その傷口が感染すると、上顎洞炎を起こしてしまうかもしれません。

上顎洞炎の治療法

治療としては、抗生物質や抗炎症剤を使って症状の軽減を図ることになります。場合によっては耳鼻咽喉科での専門的な治療が必要になったり、最悪のケースではインプラントをいったん撤去したりすることもあります。

いずれにしても、上顎洞炎を放置していると炎症が悪化して、中耳炎や気管支炎などの合併症を起こすかもしれません。頭痛がひどい場合は早めに主治医に相談しましょう。

参照元：インプラントネット（https://www.implant.ac/knowledge/article/604/）

噛み合わせのずれ

インプラント治療における噛み合わせの調整は、患者さんの骨格なども考慮に入れて決定していきます。しかし、治療後に何らかの原因で噛み合わせがずれると、顎関節症などを起こして頭痛や肩こりなどの症状が出てきます。

噛み合わせのずれが起こる原因のひとつとして、かぶせ物（人工歯）を固定しているねじのゆるみが考えられます。その場合は噛み合わせを確認しつつ、再度ねじを締める処置が取られます。また、顎関節症が原因であれば、マウスピースを用いた矯正治療で噛み合わせを調整していく方法もあります。

それでも噛み合わせが改善しない場合は、インプラントの埋入位置などに問題があるかもしれません。そうであればインプラントをいったん撤去し、再治療を受ける必要があります。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織が歯周病菌などに感染して炎症を起こしている状態を指します。その影響で、頭痛などの症状をきたすことがあります。

治療としては、周囲の歯垢や歯石の除去や消毒などの処置で歯茎を引き締めていきます。しかし、症状が進行していれば外科手術による感染組織の切除や、最悪の場合はインプラントを撤去も検討しなければなりません。

そうならないよう、普段から丁寧なブラッシングなどのケアを心がけ、加えて定期的な通院によるメンテナンスを受けることが重要です。

参照元：インプラントネット（https://www.implant.ac/knowledge/article/604/）

※2021年9月の調査結果に基づきます。
※1　当サイト内で掲載されているクリニックの中から、日本口腔インプラント学会、国際口腔インプラント学会、日本顎咬合学会、日本先進インプラント医療学会のいずれかに所属しており、認定医以上の資格を保有している医師が在籍しているクリニック。
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