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インプラントのメンテナンス
インプラントを長持ちさせるために治療後のメンテナンスは欠かせません。ここでは、メンテナンスの重要性や方法についてお伝えします。
メンテナンスが重要な理由
インプラント周囲炎の予防
インプラント周囲炎とは、治療を受けた部分が炎症を起こし悪化すると顎の骨が溶けてしまう怖い病気です。
歯の土台である顎の骨や歯ぐきにトラブルが起こると、インプラントが安定しなかったり、最悪の場合は外れてしまったりします。この場合再治療を受けるしかないのですが、再治療はメンテナンスを受けるより何倍も大変です。
例えば骨が溶けてしまってインプラントが外れてしまった場合であれば、再度骨を形成してからインプラントを埋入しなければなりません。想像するだけでも、手間や時間がかかりそうですよね。
インプラント周囲炎が起こらないよう、しっかりとしたメンテナンスと予防ケアを行うことが重要です。
手術直後のトラブルを防ぎ、インプラントを長持ちさせる
手術直後は、インプラントがまだ骨にしっかり結合していません。トラブルを防ぐためにこの時期のメンテナンスが特に重要になってきます。口の中を清潔に保ち、硬い食べ物や刺激物、喫煙を避けるようにしましょう。インプラント治療の費用は安くありませんので、できるだけ長く使いたいものです。
メンテナンスをしっかり行なえば30年以上使える場合もありますが、怠れば10年ももたない場合も。その原因の多くがインプラント周囲炎とされていますので、気を抜かずに予防しましょう。
残った歯の寿命も延ばせる
日本人が歯を失う二大要因は歯周病と虫歯。インプラント治療後のメンテナンスで定期的に歯科医師の検診を受けていれば、これらのトラブルも予防できるでしょう。インプラントのメンテナンスをしっかり行なうことが、結果として残った歯の寿命を延ばすことにもつながるのです。
インプラントの保証を受けられる
インプラント治療には5~10年のメーカー保証がつくのが一般的ですが、ほとんどの場合は定期的なメンテナンスを受けていることが保証条件になっています。
万が一インプラントが欠けたり抜けたりしても、保証期間内であれば無償で再治療を受けられるはずですが、メンテナンスをしっかり受けていなければ保証対象外になってしまう可能性も否定できません。インプラント治療の保証条件や期間はクリニックによって異なりますので、治療を受ける前によく確認しておきましょう。
歯科医で受けるメンテナンスの
内容
歯科医師・歯科衛生士による
定期的なチェック
歯科医師・歯科衛生士が定期的に口の中のチェックや検査を行ないます。具体的なポイントは次のとおりです。
- インプラントがぐらついていないか
- 口の中は清潔な状態が保たれているか
- 歯ぐきに炎症が起きていないか
- 噛み合わせに問題はないか
口の中の衛生状態が悪いと、インプラント周囲炎を起こす可能性が高まります。また、噛み合わせが悪く歯に無理な力がかかると、インプラントのぐらつきや脱落の原因に。もちろん、インプラント治療を受けた部位以外も定期的にチェックすることで、すべての歯の寿命を延ばすことに繋がります。
歯みがき指導
インプラントを長持ちさせるためには、歯科医で受けるメンテナンスだけではなく自宅でのケアも必要不可欠。そのため歯科衛生士が歯みがき指導を行いますが、検査の際にチェックされるポイントは次のとおりです。
- 正しく歯みがきができているか
- みがき残しが多い部分はないか
- 歯間ブラシやデンタルフロスなど、患者さんに適したケア用品があるか
特に、歯ブラシ以外のケア用品には使い慣れていない人が多くいます。歯科衛生士の指導をしっかり受け、口の中を清潔に保つようにしましょう。
歯石の除去
歯石の付着はインプラント周囲炎、歯周病、虫歯の大きな原因。それらを予防するため、メンテナンスの際には必要に応じて専用の機器を使用した歯石の除去を行ないます。
歯石や歯垢はいったん除去してもしばらくするとまた付着してしまいます。定期的なメンテナンスでインプラント周囲炎を予防しましょう。
バイオフィルムの除去
歯垢が長時間にわたって放置されると、歯みがきでは取り切れない細菌のかたまりが歯の表面に付着します。これがバイオフィルムです。
インプラントの歯の部分は人工物なので虫歯になりませんが、だからといってバイオフィルムを放っておくとインプラント周囲炎の原因になったり、残った歯に虫歯や歯周病が起こったりします。定期的なクリーニングを受けて、バイオフィルムを除去するようにしましょう。
歯石と同様で、バイオフィルムも除去後しばらくするとまた付着します。余計な治療部位を増やさないためにも、定期的なバイオフィルムの除去をおすすめします。
メンテナンスの頻度
インプラント治療を受けた直後は小まめなチェックが必要ですが、インプラントが安定してきたら年2~4回程度の通院によるメンテナンスが一般的に。もちろん、メンテナンスの内容によっても通院回数は変わってきます。
メンテナンスの費用
クリニックによってメンテナンスにかかる費用はさまざまですが、おおむね5,000円~10,000円程度が相場です。時期によってはレントゲン撮影などの検査を行なう場合があるので、その場合追加費用がかかります。
メンテナンス費用はこの先継続的に払うものになるので、治療前のカウンセリングの際などに確認しておくと良いでしょう。またメンテナンス費用は医療費控除の対象になる場合がありますので、クリニックに確認してみてください。
自宅でのメンテナンス
ブラッシング
自宅で行なうケアの基本は、歯ブラシによるブラッシングです。綺麗にしようと思うあまり力を入れすぎて、ゴシゴシと磨くのはNG。インプラントを傷つけないように柔らかい歯ブラシを選び、毛先を優しくあてることが大切です。口の中を清潔に保つため、インプラントもそうでない歯も1本ずつ丁寧にブラッシングしましょう。
歯間ブラシ、デンタルフロス
ブラッシングで落としにくい歯と歯の間の汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスでケアしましょう。そうしたケア用品を使う習慣がなかった人は、クリニックで歯科衛生士の指導を受け、ブラッシングと一緒に使用する習慣をつけることをおすすめします。
デンタルフロスとは?
一般的にホームデンタルケアとして普及している歯ブラシ。この歯ブラシは、歯の表面や歯と歯茎の境目をきれいにするのが得意です。しかし、どんなに丁寧にしっかりと歯ブラシをしていても、40%近い磨き残しがあると言われています。
インプラントを入れた後は、インプラント周囲炎などのトラブルを防ぐためにも、しっかりとしたホームケアが必要。インプラント後のホームケアとしては、40%近く磨き残してしまう歯ブラシだけでは不十分であると言えます。
そこで、歯ブラシと併用として使いたいのが「デンタルフロス」です。インプラント周囲炎は、インプラントの土台となっている骨を溶かして、ぐらつきやインプラントが外れてしまう原因にもなります。「デンタルフロス」を上手に併用して、インプラント周囲炎の原因となるプラークをしっかり取り除きましょう。
デンタルフロスの正しい使い方
デンタルフロスとは、極細のナイロン糸が重なって紐状になった歯間用のブラシです。形状はいくつかあるので、使いやすいものや磨きたい箇所に合わせて選ぶのが理想的です。
手軽に使われているのが「歯間ブラシ」です。L字型のものは奥歯用、ストレート型はその他の歯に使うのが目的です。
「ホルダータイプフロス」は奥歯用のY字型と前歯用のF字型があり、Y字型は上の歯にも使いやすいとされています。
これらは磨きたい歯間にあてて汚れをかき出すように使うもので、初心者でも使いやすくおすすめです。それぞれの種類で試してみて、使い心地や使用する部位に分けて選ぶとよいでしょう。
糸巻きタイプのデンタルフロスの使い方
デンタルフロスの中で「糸巻きタイプ」は万能ですが使い方にコツがあります。滑りが良い「ワックスタイプ」はワックスがない「アンワックスタイプ」より汚れ落ちが劣るとのこと。「アンワックスタイプ」は汚れが引っかかりやすいので、慣れるとこちらが使いやすいと言われています。
- 引き出したフロスをカットして、両端を両手の第2関節に巻きつけます。この時、10cm〜15cmが両手の間に残るようにすると使いやすくなります。
- ピンと張ったフロスの中心から、0.5cm〜1cmくらいの所をそれぞれの手の親指と人差し指で摘んで持ちます。
- 両手で持ったフロスを、歯と歯の間に入れて行きます。この時、まっすぐ下におろすのではなく、左右に動かしながらゆっくりとおろしていきましょう。
デンタルフロスを使うときの注意
デンタルフロスは押しすぎると歯茎を傷つけてしまうので気をつけましょう。ゆっくりと優しく動かすと歯垢や食べかすを掻き出しやすくなります。
歯ブラシとフロスを併用すると歯の表面や歯茎との間、歯と歯の間をきれいにケアできます。また、フロスは基本的に使い捨てです。次に使うときは新しく清潔なものを使いましょう。
デンタルリンス
デンタルリンスは、液体歯みがきやマウスウオッシュとも呼ばれる洗口剤の一種です。歯ぐきや歯周ポケットに作用して、歯周病の予防に役立ちます。口をゆすいだあとでブラッシングするタイプや、口に含んだままブラッシングするタイプなどがありますので、製品に記載されている方法にしたがって使用してください。
引っ越しでクリニックを変える場合のメンテナンス
基本的にインプラントは生涯にわたって付き合っていくものです。当然ながらメンテナンスも一生かけて続けていく必要がありますが、何らかの事情で遠方に引っ越す場合はクリニックを変えなければなりません。転居先でも定期検診などインプラントのアフターケアとメンテナンスを問題なく続けるためには、かかっていたクリニックから紹介状をもらっておくことが大切です。
また、自身で使用しているインプラントのメーカーや種類なども把握しておきましょう。メーカーによっては取り扱っているクリニックが限定される場合があるからです。広く使用されているメジャーなインプラントメーカーであれば、転居先でもスムーズにメンテナンスを受けられるという強みがあります。
トータルで安い
インプラントを受けられる
渋谷区のクリニックを紹介
インプラント治療を受けようと思った時、やっぱり心配なのは費用ですよね。このサイトでは、渋谷区のクリニックを徹底調査し、インプラントの知見が深いクリニック(※1)から、トータルの費用を安く抑えられるクリニック(※2)を厳選して紹介しています(調査日時:2021年9月)。
はちやデンタル クリニック03-3408-6480 |
表参道しらゆり歯科03-3409-4118 | RKデンタルオフィス 代官山03-6427-8999 |
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費用総額 |
費用
220,000円
休診日 火
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費用
297,000円
休診日 祝
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費用
297,000円
休診日 月・木・祝
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はちやデンタル クリニック |
費用
220,000円
休診日 火
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表参道しらゆり歯科 |
費用
297,000円
休診日 祝
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RKデンタルオフィス 代官山 |
費用
297,000円
休診日 月・木・祝
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※2021年9月の調査結果に基づきます。
※1 当サイト内で掲載されているクリニックの中から、日本口腔インプラント学会、国際口腔インプラント学会、日本顎咬合学会、日本先進インプラント医療学会のいずれかに所属しており、認定医以上の資格を保有している医師が在籍しているクリニック。
※2 インプラントの埋入に必要な「上部構造」「アパットメント」「インプラント」「オペ代」を記載している(または、追加料金がないことを記載している)クリニックの中から、インプラント1本あたりの価格が安い3クリニックをピックアップ。診察料、仮歯、骨造形手術代は別途かかる可能性がありますので、各クリニックにお問い合わせくさい。